九谷茶碗まつりレポート:伝統工芸からデザインを学ぶ

今日は、活気あふれる九谷茶碗まつり(根上会場)へ足を運びました。
会場は多くの人で賑わい、各ブースに色とりどりの九谷焼がいっぱいに並ぶ光景は圧巻の一言!

今回は、Web制作に携わる者としての視点も交えながら、そこで感じた九谷焼の魅力についてレポートします。

受け継がれる伝統の技:九谷五彩

まず心を奪われたのは、やはり伝統的な九谷焼の数々です。
「九谷五彩」と呼ばれる赤・緑・黄・紺青・紫の5色を基調とした、あの独特の世界観。限られた色数で、あれほどまでに大胆な構図と鮮やかな色彩を描き出し、見る者を惹きつけるデザインを完成させる技術には、ただただ感嘆するばかりです。
「すごい…」と思わず声が漏れるほどで、到底私には真似できるものではありません。

歴史を感じさせる重厚感と相まって、凝り固まっていた感性がぐっと刺激されるのを感じました。

時代の風を感じる:モダンデザイン

一方で、会場には現代のライフスタイルに合わせたモダンなデザインの九谷焼も数多く並んでいました。
伝統的な絵柄をシンプルにアレンジしたもの、優しいパステルカラーで描かれたもの、北欧デザインを思わせるようなスタイリッシュなものまで。
これなら洋食のテーブルにも自然に馴染みそうだと感じさせる作品も多く、九谷焼の表現の幅広さに驚かされます。(実は私も、そんなモダンなデザインの茶碗に一目惚れして一つ購入してしまいました!)

能登復興エリアにて:工芸の力と、心に響く漆器と焼き物

会場内には能登復興エリアも設けられていました。中でも輪島塗の技術を応用した「采色塗なか門」さんの作品は、繊細な色彩と独創的なデザインが素晴らしく、もはや工芸品というより芸術品と呼ぶにふさわしい佇まいでした。

また、個人的に昔から好きな「珠洲焼」のブースもあり、素朴ながらも力強いその姿に改めて心惹かれました。美しい工芸品を通して、作り手の皆さんの復興への力強い意志を感じることができたように思います。

Webデザインと九谷焼:「誰に響くか」を考える

Web制作の仕事を始めてから、以前にも増して色使いやデザインの意図を意識するようになりました。
そこで改めて感じるのは、「どんなに優れたデザインでも、すべての人に好かれることはない」という事実です。ターゲットを見極め、その心に響くものを提供することの重要性を日々痛感しています。

例えば、私たちが多く手掛ける建設業界のWebサイト制作においても、この点は非常に重要になります。
デザイン性を追求し、モダンで洗練された表現を目指したとしても、それが企業の持つ実直なイメージや、現場のリアルな仕事内容とかけ離れてしまうと、訪問者は「何のサイトだろう?」と疑問を感じてしまうかもしれません。
特に採用目的の場合、Webサイトの印象と実際の働き方にギャップがあれば、入社後のミスマッチを引き起こす恐れもあります。

かといって、昔ながらの重厚なイメージだけでは、特に若い世代には「古臭い」「自分たちが働く姿をイメージできない」と敬遠されてしまう可能性も否定できません。

まさに今、そんな建設業界でも、業界ならではの信頼感や力強さといった「らしさ」を大切に残しながらも、新しい世代に響くようなモダンな要素や、現場で働く人々のリアルな姿・想いを効果的に伝えようと、さまざまな工夫を凝らしたWebサイトが増えています。これは、伝統的な九谷焼がモダンなデザインを取り入れて新しいファンを獲得しようとしている姿とも重なります。

私たちBCプランニングでも、まさにその点に注力し、「いかにして建設業と認識していただきながら、現代的な魅力や仕事のリアルを伝えていくか」というバランス感覚を大切に制作に取り組んでいます。ご興味があれば、ぜひ私たちがこれまでに制作させていただいたWebサイト事例もご覧いただけると嬉しいです。

九谷焼の作品選びもWebサイトのデザインも、「誰に、何を伝え、どう感じてほしいか」という視点が欠かせません。ターゲットに深く響いてこそ、そのデザインや作品は真価を発揮するのだと、今回の九谷茶碗まつりを通して改めて感じました。